拍手お礼SS
「愛してる」L月(キラ?)
「やぁ、竜崎」
「いらっしゃい、月くん」
「何、ティータイム」
「ええ」
部屋から甘い香り。
一緒にお茶しましょう。
男に誘われ、部屋の奥へと上がる。
「コーヒーか紅茶、どちらがいいですか」
「コーヒーで」
「砂糖ミルクは無しで」
「そう」
案の定テーブルの上は、書類とケェキで埋まっていた。
甘味を頬張る男が一人。
それを眉根を寄せつつ見つめる。
「・・・美味しい?」
「食べてみますか?」
「いや遠慮する」
「そうですか」
残念です。
沈黙。
「よく胸焼けしないね」
「する方が不思議です」
「ははは。お前のその考えが不思議だよ」
「・・・・・・そうですか」
「僕は見てるだけで胸焼けがするよ」
「はぁ」
会話しつつも新しいケェキへと手が伸びる。
「何個目」
「5個目ですかね」
「・・・・・は?」
「5個目です」
「・・・・・へ、ぇ・・・」
糖尿病で死ぬこと請け合いだろ。
「この他にもケェキってあるわけ」
「ワタリに言えば出てきます。食べたいですか」
「いらないよ。お前はまだ食べるの」
「いえ、これを食べたら仕事に入ります」
その言葉にふぅんと相槌を打つ。
やがて食べ終わった男が立ち上がろうとした時、彼は視線を足元にやり、フッと笑った。
不穏な空気でも読み取ったのか、男がまた席に座った。
「・・・何です」
「いや、ね。今日たまたま、お前がたまに食べてるケェキ屋に寄ってね」
「・・・まさか」
「・・・その、まさかだよ。ああでも、お前これから仕事だものね」
「ららら月くん?」
「お前の代わりにコレは妹にあげてこようかな・・・」
「月くんっ!」
「・・・・・・・・何だい?」
ああ、悪魔的な彼の微笑。
「・・・そのケェキを私に下さい」
「・・・ふふふ。いいよ、その代わり条件がある」
「何です」
「お前がいつも僕に言ってることだよ」
「はい?」
「愛してるって言え」
Lと月(キラ)。
心にも思ってないくせに。
ただ、せせら笑う。
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