● 足元の死体を蹴り上げる。









夢を。



夢を見た。



あの人はもう動くことが無く。









「夢を見た」



「はぁ」



「お前、死んでたよ」



「そうですか」



「うん。で、その死体を僕が蹴ってた」



「・・・蹴ってたんですか」



「蹴った蹴った。思いっきり蹴った」



「・・・酷いです」



「だってお前死んでるんだか生きてるんだか分からないんだから」



「何ですか」



「お前の顔死んでるみたいだ、と遠まわしに言ってみてるだけだけど」



「・・・やっぱり月くんはキラです・・・」



「ははは、馬鹿?」









どんなにどんなに蹴り上げても。



足元の男は動く気配も無く。



してやったりとは思えど。



何故だか。



如何してだか。



世界に味気がなくなった気がして。









そして目が、覚めた。











Lと月(キラ)。
夢の中では何でも思い通りに事が進んで。
けれど。あいつは死んだフリをしているのかもしれない。
疑心暗鬼。







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