● 間接自殺願望者。
お前がいなくなれば。
全て終わると思ったのに。
男が死んでから。
青年はゆるやかに青年でなくなっていく。
人々が作り上げたキラという存在へと。
最初出会った頃は、彼はあんな笑みを浮かべはしなかった。
純粋にただ純粋に。
悪人がいなくなれば世界は平和になると信じた高校生だったのに。
男が死んでから。
青年は緩やかに緩やかに。
青年を殺してキラになっていく。
「あいつと僕は似てるんだろうね」
だからきっと同属嫌悪なんだろう。
男がまだ生きていた時。
ふいに突然青年がそう洩らした。
誰に聞かせるでもなく呟いたようだったので。
何も聞かなかったことにしたのだが。
同属嫌悪。
その上で。
似てると認めた上で男を殺すと言ったのは。
まるで自分を殺す感覚なのではないだろうか。
青年の望んだとおり男は死んだ。
では青年が男に見た自分も死んだのだろうか。
キラとして裁きを続ける青年。
死神を使った青年は。
間接的に自殺をしたのか。
青年が。
キラが。
ボソリと呟いた。
「お前がいなくなれば。 全て終わると思ったのに。 」
青年の言う全てとは。
何だったのだろう。
黒い死神は首を傾げた。
L←月(キラ)でリューク視点。
彼の言う全て。
終わってしまったそれに、どこにも答えなど。
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